最初は他愛もない雑談から

新しいお車が来ました。前の車は5速だったのですが今度は4速のようです。車については見事に無知なのですが、馴らしに走ってみると前より加速が早い気がする。何はともあれ高速域でもう存在しない5速に入れる癖をいい加減なくさなければならないなぁ(苦笑)
とはいえ事故ったばっかりなので少し反省の意も含めあまりで歩いていません。最近は結構家にいます。そしてずーっと「大人」一色だった生活にようやく虹さんが戻ってきました。瞳の住人。この曲は、他のアーティストさんを聞いたりしているとふと聞きたくなって、そのままずぶずぶ行っちゃう感じなんですよね。これはボーカルレスバージョンと合わせて聞くのが好きです。いやはや、テッちゃんありがとうありがとう!

以下、私の大好きで大好きで大好きで大好きな詩をお書きになる、谷川俊太郎さんについて少し。



私は詩作を趣味の一つとしていますが(ワー恥ずかしい)、色々な人の詩を広く読んでいることはありません。基本的には一作読んで好きだなぁと感じた色合いの方の作品ばかりに傾倒するようになります。その中で、私が詩に興味を持つきっかけになり、そしていまだ私の中で最も素敵と思う詩をお書きになる詩人さん(おかげで他になかなかいけない)が、先述の谷川俊太郎さんです。この方の詩は、誰もが一度は読んだことがあるのではないでしょうかね…学校の教科書によくのっていますし、マザーグーススヌーピーの翻訳などもされていますし。いわゆる叙情詩人に分類されながら、幅広く活動なさっておられます。

さて。この谷川氏の詩、好きなものは数え切れないほどあるのですが、以下簡単にご紹介します。全文は避けますが、私が特に気に入った一文、個人的なコメントなどを、収録詩集の名前と共に。もし興味がわかれましたら、是非是非見てみてください。一番最後に各詩集へのamazonリンクを貼っておきます。

■ 僕は創る


僕は創る 透明な白い仔犬を
洗い立ての僕の感覚(センス)のエプロンから


 (中略)


すべての僕の仔犬達は
せめて半世紀を生きてほしいが
すべての僕の仔犬達が
創るあとから零になっても
僕は悲しく思わない


   僕は創る/十八歳/谷川俊太郎

前半の二文は、合致してからずっと私の中で「テツさん」だと思っています。恥ずかしながら、私はテッちゃんの作曲作詞、クリエイターとしての姿勢に対して(ああでも私の中で彼は「クリエイター」ではないな)、前半の二文以上に感覚として当てはまる言葉を持ちえず、また知りえないのです。
後半四文は、一読した時にビックリするほど心に残ったものです。この詩は全体的にとても素晴らしいのですが、この最後の潔さが特に好きなので。

■ ゆうぐれ


いつもとかわらぬ ゆうぐれである
あしたが なんのやくにもたたぬような


   ゆうぐれ/よしなしうた/谷川俊太郎

全てが(殆どかな?)ひらがなの詩です。谷川さんはひらがながお好きなようで、ひらがなだらけな詩も結構あるのですが、この詩は…上に紹介した二文が最後の文なのですが、それまでの話が簡単に言うと「家に帰ると家族が死んでいた」というもの。淡々とそれをひらがなで語り、最後にこの二文がきます。私はこれを見たとき、この二文だけでも背筋は寒くなるなと思うくらいの戦慄が走りました。怖かった、本当。「よしなしうた」は他にも「ともだちの とびおり」なんていう穏やかでない詩も収録されていますので、そういうのがお好きな方はどうぞ(笑)

では最後に…これは、選びきれなかったので全文をご紹介。教科書などで一度は見たことがあるんじゃないかという感じですが…最も好きな詩人さんである谷川氏の作品、その中でさらに最も好きな詩。これを見て詩を好み、谷川氏が気になり、現在に至るまでの10年以上の間不動の一位に輝く詩です。

■ かなしみ


あの青い空の波の音が聞こえるあたりに
何かとんでもないおとし物を
僕はしてきてしまったらしい



透明な過去の駅で
遺失物係の前に立ったら
僕は余計に悲しくなってしまった


   かなしみ/二十億光年の孤独/谷川俊太郎

ああ…いくら頑張っても紹介しきらない。今後もちょくちょくやろうかなぁ。

 amazonリンク→  十八歳 (集英社文庫) / 二十億光年の孤独 (関東学院大学人文科学研究所研究選書) / よしなしうた