チャーリーとチョコレート工場見ました。

本当今更感ありますね、いやはや。新作は新作時にチェックならぬのが私でございまして、というわけで遅ればせながら見ましたバートン映画。
ちょっとですね、作品についての事前情報が殆どない(しいて言うなら、「原作がある」「以前も映画化された」「バートンがこの話を好き」「エルフマンとバートンとデップのゴールデントリオ」くらい。記事も全然読めてない)ので、発言は不確かになるのですが、一見(一回しかまだ見てない)した感想をば少々述べさせていただきたいと思いますです。うまいこと書けない人間なので、簡単に箇条書きに。




 ■主演:ジョニー・デップ

・ウォンカの目、最初はかなりイっちゃってたけど進行につれてマトモになっていくのがアリアリとわかった。流石!
・茶目っ気たっぷりなキャラクターが可愛い。デップさんも大分バートン映画、っていうかバートンが求めるシュールさを理解して演じることが出来るようになったっぽく思った。
・バッコバッコエレベーターぶつかってるけど…いやはや、流石「監督に言われるまま馬車に引きずられた男」@「スリーピー・ホロウ」。

 ■音楽:ダニー・エルフマン

・エルフマンさん遊びすぎ!!!(笑)曲が…!!!あるいみ古参コンビな二人だし、バートンの要求する世界と自らの追及する音楽がちゃんと噛み合っているところが素敵(一度「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」時に確執あったみたいだけどアレはエルフマンが撮りなおし要求したからだし)。
・今回は「キレ〜」な感じのはあまり含ませずほとんど無邪気な印象を受けるものばかりだったなぁ。いや、珍しいラストなんで(バートンにしては)どちらかというとこっちの方がいいんですが。

 ■監督:ティム・バートン

・映画の「誰も見ないようなところに全力を尽くす」「小ネタ小細工だぁいすき」「機械仕掛けフリーク」「一軒は傾いた屋敷がないと気がすまない」「何とかしてハロウィンネタ(主にかぼちゃ)を入れたいらしい」あたりはすごく久しぶりな感じで(最近路線がヒューマンとかサスペンスとかSFだったから)嬉しかったんだけど、ラストには「ばーとん、変わったな…」をまずリアルに感じました。
ビッグ・フィッシュ」でも大分変わってたっちゃ変わってたけど、あの時はまず「ソレ」を撮ろうとしている時点で変わったなと感じた、つまり先入観があったのであまり意識しなかったんですけれど…今回はカウンターでした。多分以前のバートンなら、チャーリーがウォンカの誘いを断ったあの辺で話が終わってると思うので(笑)今まで「どこか最後まで孤独、孤立した人、人々」を主役としてきていた感のあるバートンが、ウォンカをあたたかい食卓の中に座らせたというのがものすごく感動、というか驚きでした。だって「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」の絵本(注:映画の「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」はヘンリー・セリックが監督でバートンはあくまで原案、そしてその原案がこの絵本)で「ハロウィンタウンの人はハロウィンを、クリスマスタウンの人はクリスマスを」なんて住み分けをさりげなくラストに持ってくるような人(しかもそれで皆納得してるし!)が!やはり家庭を持つと変わるのでしょうか。お子さんもいらっしゃるようですしねぇ。
(ただ、ラストに関しては原作を知らないので何ともいえないところもあります。しかし、もし原作のラストと同じだったとして、「そういうエンディングをむかえる話を選んだ」「そしてそのようにした」ということでも、バートンの変化というのが見て取れるように思うのです)
・とはいえ、チャーリー除く四人の子供の描写あたりは、「あ〜…やっぱ「一般的な子供嫌い」は治ってないよな(笑)」と思いました。あと、前半のウォンカ登場シーンとか、「もういいよ、わかった!ディズニー嫌いなのはもう知ってるから!」という感じ(笑)

強いて難を言うなら…いや、無理なのはわかるんだけど(笑)オープニングのチョコレート製作シーンは…あれCGだよなぁ(違ったらごめんなさい/違うとすればも少し「チープに」御願いしたかった)?できれば、適当機械でいいから(笑)実際に作ったやつでやって欲しかった。あれ見て「シザー・ハンズ」思い出しました。クッキー作るんですよ。…ってそれはどうでもいいとして(笑)たくさん楽しめました。あの「リアルを敢えて非現実的に撮る」姿勢はやっぱり好きだな、うん。今度買おう。冷蔵庫と車の件が落ち着いたら…(泣)


ちなみに、コープスブライドの予告も見ました。私としては最も見たいのはこっち(しかしチャーリーでは楽しませてもらったなぁ本当)。一瞬「これストップモーションだったよな!??」と思ってしまったほど滑らかな画面でしたねぇ…技術を喜ぶやら、多少残念やら。「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」時のあの微妙なカクカク具合が(CGと比べて、という意味。実際はすごく滑らか)好きだったので…うう、でも楽しみだ。特に音楽が(笑)エルフマンさん期待してます。




長。ごめんなさい、本当にバートンが大好きなんです…!(笑)今彼がオイスター・ボーイ書いたら絶対話違うよなぁ(笑)そういえばダスト・シュートのところで牡蠣が出てきたあたりはちょっとニヤリ(笑)
そして、以下「本日の谷川」。

■ 41 空の青さをみつめていると


空の青さをみつめていると
私に帰るところがあるような気がする
だが空を通ってきた明るさは
もはや空へは帰ってゆかない


   41 空の青さをみつめていると/六十二のソネット/谷川俊太郎


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